ありくい君に聞く!(ヤマトシロアリ編)

ありくい君に聞く!

ヤマトシロアリの羽アリについて

日本のシロアリの中では最も被害件数が多く、最も身近な住宅害虫と言われるヤマトシロアリ。春の訪れとともに、待ちきれないと言わんばかりに飛び出してくるヤマトシロアリの羽アリに、どう対処したら良いのでしょうか?三和技研のベテラン防除士「ありくい君」にお尋ねします。

ヤマトシロアリの羽蟻イエシロアリよりも早い時期に飛び立つヤマトシロアリが、羽アリ警報の第一報です。
ヤマトシロアリの特徴について、「シロアリの気持ちがわかる」とまで言われるベテラン防除士「ありくい君」に聞いてみました。

そもそも羽アリってなんだろう?

シロアリの階級ピラミッドシロアリは「社会的昆虫」です。蜂や黒蟻などと同じく、王・女王や働き蟻・兵隊蟻といったように、階級が分かれており、それぞれに役割を持っています。働き蟻(職蟻)が餌をはこび、兵隊蟻(兵蟻)は外敵と戦う、というように。そして、羽アリの役目は生殖です。シロアリの階級と役割はこちらをご覧ください。

春はシロアリにとっても恋の季節。群をなして飛び出した羽アリたちは、結婚相手を見つけてつがいとなり、王・女王として新たな巣を造ります。羽アリたちは王・女王候補・・・いわば王子様とお姫様なのです。

ヤマトシロアリの性質・特徴

Q.ヤマトシロアリは、床下などの地面近くにしか生息しないって本当?

ありくい君
ありくい君

いやいや、柱が水で常に湿ってる状態だったら、ヤマトだって2階まででもいくらでも昇っていきますけん。

Q.上階のほうにも被害を与えるケースは少ないといわれているけど?

ありくい君
ありくい君

いちがいにそういうふうに考えとったら絶対だめ。ヤマトさんが床下好きな理由は、水を運ぶ能力が低くて遠くまで出張できないからだから、逆にいえば、水気さえ確保できれば昇っていくとばい。 とくに今どきの住宅は、高気密高断熱なんていって、壁の中に断熱材やらなにやら、いろいろ入っとるやろう?そこに結露がつく。結露・・・つまり水気さえあれば、いくらでも昇っていけるですたい。けっこうあるぞ、そういう例は。

Q.ヤマトシロアリは「臆病」な性格?

ありくい君
ありくい君

もう、ヤマトの臆病さは凄かよ!ちょっとでも刺激を受けたらすぐ逃げて、別の場所を食べ始める。 そいけん、薬剤での駆除の依頼が入ったら、オイ達(駆除業者)がお客さんのところに行ったころには、もう別の場所に逃げてしまっていて、食べかけの木を残して居なくなってる、なんてことも多い。だからすごく対処が難しいし、慎重にせんばいけん。 薬剤だけじゃなくて、ベイト工法で駆除するときも、イエシロとヤマトを同じように考えて処理したらだめ。少しでも刺激を与えると、すぐに加害場所から逃げてしまうけんね。せっかく仕掛けたベイト(毒餌)も、食べさせる前に逃げられてしまうですたい。

シロアリの働き蟻は、とってきた餌(食べた木材など)を、王や女王・兵隊蟻など他の階級の蟻に口移しで分け与えています。仕掛けた毒餌を働き蟻に食べさせ続けることで、巣中の他の階級のシロアリにも毒を行き渡らせることができ、ベイト工法はこの性質を利用して、巣から根絶させる工法です。 つまり、ベイト工法による駆除では、仕掛けた毒餌を、ある程度の期間継続して逃げられないように、シロアリに食べさせなければなりません。

Q.イエシロアリと比べたら食害は少ないらしい。じゃあ、駆除せずに放っておいてもいいのかな?

ありくい君
ありくい君

イエシロと比べると、確かに大きな被害にはなりにくい。 でもね、あの子らが集まるところってのは「水まわり」たい。台所とか、風呂場の出入り口とか。 で、ヤマトに食われてる家っていうのは、水まわりの環境が悪いってことやけん、ヤマトの食害が家の「腐朽のシグナル」になる。 水漏れとか、水気の多い場所を食するのがヤマト。冬場になってシロアリがあまり活発な活動をしなくなっても、そこにはカビなどの菌がいるわけですよ。ヤマトがいる=湿気が多い環境ということだから、そういう菌が育ちやすくて、腐朽はどんどん進む。 ようするに、ヤマトシロアリに被害を受けている場所は、腐朽する条件が揃ってるってことですたい。当然放ったらかしにするわけにはいかんし、腐朽+ヤマトの食害の相乗効果も意外と怖かよ。なんらかの対処は必要ばい。

 

羽アリの特徴

Q.ヤマトシロアリの羽アリは黒いってホント?いつ・どんなときに飛ぶの?

ありくい君
ありくい君

黒いよ。シロアリだから白いと思っている人も多いかもしれないけど、ヤマトの羽アリは黒い。 ヤマトシロアリの羽アリは、15時~16時といった昼過ぎに飛ぶという場合もあるし、真昼間に飛ぶこともある。 まあ、どちらにしろ、住人が仕事に行っていて家を空けてる時間帯やもんな。家の中で飛んでる羽アリを目撃することはあんまり無くて、洗濯機の中にシロアリがおったとか、お風呂場をシロアリが歩いてたとかって、帰宅してから気付く。 だから、羽アリが飛んで困ってます!っていうお客さんからの電話は、ヤマトに限れば、そんなに多くない。みんなが仕事にいってる間に羽アリが飛ぶけん、みんな気づかんとよ。でも、ヤマトシロアリはどこにでもいるよ。だから、ホントはもっと被害件数は多かはずばい。 ただ被害を受けていることに気付いていないだけ、ですたいね・・・。

Q.家の中で羽アリが飛んだとき、どうしたらいい?

ありくい君
ありくい君

どうしようもなかばい。もうそのまま落ち着くのを待たんば。 スプレーの殺虫剤をかけたりしても、今度は違う場所から飛び出してくる。結局、その繰り返しやけん。 とりあえず、忌避性のある殺虫剤は絶対使っちゃダメ!

Q.床下の湿気対策、効果はあるの?

ありくい君
ありくい君

ヤマト予防の一環としてなら、床下換気扇である程度床下を乾燥させておくのは良かですよ。換気扇はヤマトに効果的ばい。 ヤマトは水気があるところで活動するし、乾燥させることで腐朽も止めてくれるけん。やっぱり床下環境を改善するっていうのは、ヤマト対策としては最高に良かよ。 繰り返すけど、ヤマトは「腐朽のシグナル」やけん。住居人さんは、このシグナルを見逃さないように、まずは自分の家の状態や環境改善について、普段から関心を持っておくことが大事ですたい。

イエシロアリと比較すると被害は小規模なヤマトシロアリですが、日本全国どこにでも生息し、大事な住まいの腐朽を知らせてくれるヤマトシロアリは、最も意識しなければならないシロアリであると言えます。